【プライドと偏見】あらすじと5分で分かる時代背景【文学とロケ地巡り】

イギリスの女流作家ジェーン・オースティンの傑作と言われているPride and Prejudice(プライドと偏見)は、18世紀末から19世紀初頭のイギリスを舞台とした恋愛小説です。女性の結婚事情をめぐり男女の誤解と偏見から起こる恋のすれ違いを描いた物語で、美しい田園風景、上流階級など当時のイギリス階級社会を知るうえでとても参考になる作品です。

 

プライドと偏見 あらすじと登場人物

 

ジェーン・オースティンはイギリスの女流作家でイングランド南部ハンプシャー生まれ。当時、一般の女性よりも充実した教育を受け、多くの文学作品に触れ、小説を書き始めるようになった。18世紀から19世紀イングランドにおける中流社会を舞台とした女性の恋愛と結婚観を元にした作品は、近代イギリス長編小説の頂点とみなされています。

 

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プライドと偏見 簡単なあらすじ

 

プライドと偏見は1813年に出版されたジェーン・オースティン2作品目の長編小説

主人公のエリザベスは、ベネット家の次女。長女のジェーンのほかに妹が三人いる。母のベネット夫人はヒステリックでおしゃべり好きな女性。娘たちの結婚に躍起になっている。舞踏会では資産家の男性と娘たちを引き合わせて玉の輿を狙っていたが、次女のエリザベスは気難しい性格で、資産家で裕福な男性ダーシーの傲慢な態度に反感を覚えた。その一方で、長女のジェーンとダーシーの友人ビングリーはお互いに惹かれ合っていた。

 

その頃、町には軍隊が駐留しておりベネット家の娘たちはハンサムな青年士官ウィッカムの虜になった。実はウィッカムは、ダーシーの亡き父から寵愛を受けて一緒に育ったという過去があった。ウィッカムの話では相続するはずだった遺産をダーシーに奪われたと語っている。また、急速に愛を育んでいたジェーンとビングリーだったが、ダーシーの取り計らいにより二人の仲を引き裂いてしまう。これらの話を知ったエリザベスは、ダーシーに対して嫌悪を抱き怒りは頂点に達した。

 

エリザベス宛てにダーシーから弁明の手紙が送られてきた。ウィッカムの過去の所業、ビングリーとジェーンに対する誤解、そしてベネット夫人や三人の妹たちの下品な振る舞いに対する見下した態度に対する謝罪だった。エリザベスはダーシーに対して偏見を持っていたことに気がつく。

 

ある日、エリザベスは叔父・叔母と一緒に旅行に出かけダーシーの邸宅ペンバリーに立ち寄った。ダーシーは不在だと聞かされていたエリザベスだったが、お屋敷を見学中にダーシーと鉢合わせをする。ダーシーの紳士的な振る舞いに感銘し、自分の高邁だった態度を改める。

 

旅の途中、末娘のリディアがウィッカムと駆け落ちしたという話が舞い込む。一家はリディアの不名誉な行為に困惑するが、実はウィッカムが結婚の持参金を要求していた。この一件の裏で、ダーシーが結婚の持参金を肩代わりしていたことが分かる。すべてはエリザベスのためにやったことで改めてダーシーの深い愛情を感じた。

 

ダーシーの叔母キャサリン夫人からはダーシーとの婚約を破棄するように命じられた。しかしそのような噂はないときっぱりと否定して追い返す。キャサリン夫人の干渉のせいで、かえってお互いが惹かれ合っていることに気がつく。エリザベスは父にダーシーに対する誤解を解き、誠実な男性だと説明して結婚の許しを得た。

 

 

 

 

 

プライドと偏見  主な登場人物

 

・エリザベス・ベネット

ベネット家の次女。知的だが勝ち気で気むずかしい性格が災いし、ダーシーとすれ違いの恋愛に発展する。

 

・フィッツウィリアム・ダーシー

ビングリーの友人で資産家。プライドが高く人を見下す性格から偏見を招くが、実際はとても誠実な男性。

 

・ビングリー

ダーシーの友人で、心優しい青年資産家。ジェーンに心を奪われる。

 

・ウィッカム

軍隊の青年士官で、弁が立つ色男。ダーシーとは因縁がある。

 

・ジェーン・ベネット

ベネット家の長女。温和で人柄の良い女性。人を疑わない純心な心を持ちビングリーに惹かれる。

 

・メアリ、キティ、リディア

ベネット家の三、四、五女。末娘のリディアはウィッカムと駆け落ち騒動を起こす。

 

・ベネット夫妻

ベネット氏は五人姉妹の父で、書斎で読書をするのが日課で娘たちの結婚には興味がない。一方でベネット夫人は娘たちの結婚に奔走する自己中心的な性格。

 

・キャサリン夫人

ダーシーの叔母で、広大な土地と莫大な資産を所有。誇り高い高邁な性格で、ダーシーを娘の許嫁と決めつけている。

 

 

ダーシーの邸宅ペンバリー(チャッツワース・ハウス)

 

ピーク・ディストリクトは国立公園として指定されており、日本人には穴場的観光スポットです。起伏に富んだ山脈で、文学の舞台としても知られています。

 

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ピークディストリクトにあるチャッツワース・ハウスは、ダーシーの邸宅ペンバリーのロケ地となった。現在でもデヴォンシャー公爵の邸宅として使用されており、絢爛豪華な内装と広大な敷地に広がる庭園で有名。

 

チャッツワースの内装(映画には使用されていません)

 

住所:Chatsworth Bakewell, Derbyshire DE45 1PP

行き方:最寄り駅はチェスターフィールド、チャッツワース行きのバスが出ている

East Midlands Railway operates regular trains to and from Chesterfield via Derby. Chesterfield station is approximately two hours journey from London St Pancras.

 

オフィシャルサイト

https://www.chatsworth.org/

 

 

 

 

プライドと偏見 時代背景

 

プライドと偏見が執筆された18世紀~19世紀初頭、イギリスの上流社会は爵位のある貴族と大地主階級(ジェントリ)に大別される。社交上では同等とみなされたが、婚姻においては歴史的血統、親族の質、財産などにより階級格差があった。

 

イギリスの上流階級

イギリス王室 貴族 ジェントリ
国王・陛下(Majesty)

王配・殿下(Royal Highness)

 

ウェールズ公(Prince of Wales)

14世紀イングランドがウェールズを征服したのが由来で君主の男子の跡継ぎに与えられる称号。

貴族階級のランク

1公爵(Duke)

2侯爵(Marquess)

3伯爵(Earl)

4子爵(Viscount)

5男爵(Baron)

 

ジェントルマン階級

身分上は庶民の大地主層(不労所得者)

男爵の下位にあたる地主貴族として扱われ、支配階級として影響力を持っていた。

 

 

 

イギリスの社会階級

地主・貴族を中心とする上流階級 実業家・専門職などの中流階級 労働者階級

 

ジェントリは生活のために労働しないため、職業を持つ中流階級は資産が多くても格下とみなされた。相続財産の少ない男子は軍人、牧師、役人などになった。また18世紀のイギリスでは、良い結婚相手を見つけることが女性の幸せとされた。相続財産や持参金が少ない女性は結婚相手を見つけることが難しかったため、独身でいることを余儀なくされた。

 

 

映画  プライドと偏見(2005)

 

 

ジェーン・オースティン著 Pride and Prejudiceの映画化で、原作は何度も映像化されている。主演はキーラ・ナイトレイ(エリザベス)、マシュー・マクファディン(ダーシー)ほか。キーラ・ナイトレイは第78回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。

 

*イギリスBBC制作のテレビドラマ(1995)もヒットし、プライムタイム・エミー賞の作品賞にノミネートされた。

 

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BBCテレビドラマ 高慢と偏見(1995)

 

 

まとめ

イギリス女流作家ジェーン・オースティンのプライドと偏見をご紹介しました。18世紀イギリスの階級社会と女性の恋愛・結婚事情がよく分かる作品です。この作品は現代でも多くの読者を惹きつけ、高い評価を受けています。

 

 

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