英字新聞を読んでみたいけどなんだか難しそう。一見難しそうに思える英字新聞ですが、新聞記者は一般の方が読めるように高度な語彙を制限しているため小説や専門誌ほど難しくありません。背景知識があって読み方のコツさえつかめればスラスラ読めるようになります。日本語の注訳や解説つきの英語学習者向けの英字新聞なら辞書なしでも読めます。英字新聞を使って英語の勉強をしたい方に向けて英文のパラグラフ構成や英字新聞や教材を用いた勉強法をご紹介します。
英字新聞の種類とレベル
日本国内で取り扱っている英字新聞(紙版とデジタル版)の一例をご紹介します。デジタル会員になれば有料会員用の記事や学習者向けのコンテンツを無料でご利用頂けます。
・日本国内発行の英字新聞(紙版・デジタル版)
The Japan Times / The New York Times
出版社:ジャパンタイムズ(日刊)
国内のThe Japan Timesと海外のThe New York Timesを取り扱った英字新聞で、定期購読者はジャパンタイムズのウェブサイトだけでなく、NYTimes.comとNYTimesのスマートフォンアプリも無料でご利用になれます。上級者向き。
The Japan Times / The New York Times Weekend Edition
出版社:ジャパンタイムズ(毎週土曜日)
ウィークエンド版の英字新聞。政治、経済、スポーツ、文化、娯楽など多彩な情報を発信しており、提携している海外通信社や新聞社からの記事を厳選しています。上級者向き。
Latest news on Japan: business, politics, commentary, sports…
The Japan Times Alpha(ジャパンタイムズアルファ)
出版社:ジャパンタイムズ(紙版毎週金曜日、デジタル版毎週日曜日)
その週に起きた重要なニュース、世界のトレンドなどを和訳・解説つきで読める英語学習紙で中級者向き。
会員サイト「Club Alpha」では、有料会員になると各レベルに応じた学習コンテンツと手厚いWebサポート(リスニング&インプットのエクササイズ等)が受けられ、スマホでも利用可能。
注釈・単語訳付きで辞書いらず。旬の話題と生きた表現が同時に学べる、一石二鳥の英字新聞「The Japan Times Alpha」
最新のニュースで英語が学べる週刊英語学習紙。日本語の注釈付きだから、辞書を引く手間を省いて効率的に英語表現をインプット。…
The New York Times International Weekly(ニューヨーク・タイムズ・インターナショナル・ウィークリー)
出版社:朝日新聞社(毎週日曜日)
アメリカのニューヨーク・タイムズ紙が編集の週刊英字新聞。英語レベルは高く上級者向き。
週刊英和新聞Asahi Weekly (朝日ウィークリー)
出版社:朝日新聞社(紙版毎週金曜日、デジタル版毎週土曜日)
朝日ウィークリーの記事は初級、中級、上級レベル別になっている。レベルに応じた対訳と日本語注訳つきなので中級者向きです。
・週刊専門誌、世界のニュースサイト
・TIME(タイム)
英字週刊ニュース誌。政治、経済、環境、文化、エンタメ、最新医療など様々な分野を掲載している。洗練された英語表現が学べる。超上級者向き。
・The Economist(エコノミスト)
イギリスやアメリカの知識層に愛読される週刊政治経済誌。科学技術、書評、芸術などの文化面も掲載。超上級者向き。
・BBC News (BBCニュース)
イギリス国営 https://www.bbc.co.uk/news
・BBC Learning English(BBC英語学習者向けサイト)
無料学習コンテンツ https://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/
・VOA News(Voice of Americaニュース)
アメリカ国営 https://www.voanews.com/
・VOA Learn English(VOA英語学習者向けサイト)
無料学習コンテンツ https://learningenglish.voanews.com/
英字新聞の読み方とルール
英字新聞は一見難しそうに思えますが、一般的な人が読めるように語彙レベルを制限しているため小説や専門誌に比べるとずっと読みやすいです。ただし、読み方にちょっとしたルールがあるためコツを押さえて読みましょう。
英字新聞の記事構成
見出し(Headline)
記事の題名 |
全体の導入部(Lead)
記事の冒頭にある文章:5W1H |
記事本体(Body)
第一部 |
第二部 |
第三部 |
HeadlineとLeadを読めば、そのニュースの要点を把握できます。パラグラフを読み進めるにしたがって記事の重要度は下がっていきます。
・見出し文法(3つのルール)
新聞記事の見出しは普通の英文とは違い特別なルールがあります。限られたスペースの中に題名を書かなければならないため不要な語は省略し、長い語は短くします。コツさえつかめば簡単に理解できます。
- 時制のずれ
現在形 → 過去を意味する |
過去形 → 受動態を意味する |
「to + 原形」→ 未来を意味する |
- 省略 (冠詞、代名詞、be動詞など)
Two people (were) missing in (a) ship accident
見出しではbe動詞や冠詞が省略されます。
- 短い語で代用 (and → , [コンマ] など)
Teen killer gets life
(A) teenager killer got (a) life imprisonment sentence yesterday
現在形は過去を意味し、長い語は下線部のように短い語で代用されます。
新聞記者は本文を書いてから見出しを考えています。見出しで使われている言葉が分からない場合、たいてい記事本文(第一段落)に答えがあります。
・定番表現(5つのルール)
英字新聞では以下のように代表的な5つの定番表現があります。
- 動詞 + , [コンマ] + ~ing 『・・・して、そして、~した』
A woman drove her car into a ditch. And she killed herself…
A woman drove her car into a ditch, killing herself…
- ハイフンでつながる形容詞 (動詞にingをつけると形容詞として使える)
コンマによる同格 (A=B)
We, the player, ……(we = the player)『我々選手一同は…』
- 長い名詞句 必ず冒頭に意味の核がある。補助的な意味を追加するたびに後ろに向かって伸びていく。
【An advisory panel to the prime minister that recently outlined Japan’s goals for the 21st centry】
21世紀へ向けた日本のゴールを最近大まかに示した首相の諮問機関 ←このままで完成した名詞句
- 言い換え 英語は同一表現を何度も繰り返すのを避ける
英字新聞・教材を使った勉強法
それでは具体的に英字新聞や英語教材を使った英語学習方法をご説明します。要点の把握をして読解力や表現力を培います。
・パラグラフの特徴と構成
英語で書かれた文章の各パラグラフには必ず『トピックが1つ』と『筆者の主張が1つ』含まれています。トピック(何について?)とは「主題」であり、主張(どのようなことが言いたい?)とは「結論」のことを指しています。英語のエッセイなどでは必ず筆者の意見表明や主張(結論)を先に述べます。
パラグラフの構成
タイトル(+ 小見出し) |
導入パラグラフ:パッセージ全体の主題
トピックの導入、一般記述、筆者の意見表明/主張(メインアイデア) |
本体パラグラフ 1
本体パラグラフ 2 本体パラグラフ 3 |
結論パラグラフ:パッセージ全体の要約 |
本体パラグラフの構成
1.主題:冒頭でトピック(主題)を示し、筆者の主張をする(結論)
→ トピック・センテンス 「トピック + メインアイデア」 |
2.例や理由:パラグラフの主題をサポートする |
3.展開:書き手の意図やトピックとのつながり |
4.結論:パラグラフの最後の文が要約や結論になる(再度結論を述べる) |
・文章の要点はどこか?(主題 + 結論)
文章の要点把握にはコツがあります。パラグラフ構成を理解し、以下を参考にして下さい。特に導入部はパッセージ全体の主題が書かれているのでしっかり読み込みましょう。
・タイトルや見出し
・導入部
・太字などで強調している箇所
・締めくくり部分
・パラグラフリーディングと要約文
パラグラフの構成と要点に注意しながら読解力を鍛え、要点把握のコツをつかめたら今度は主題と結論を含んだ要約文に挑戦してみましょう。
パラグラフリーディング
パラグラフの構成を理解しながら英文を読みます。
トピックと筆者の主張をつかみ、読解力を鍛えます。
100文字要約文
主題と結論を含んだ文章で表現力を培います。
要約文を読んだだけで概要を理解できるような文章を書きます。
まとめ
英字新聞や教材を用いた英語の学習方法をご紹介しました。英語中級者以上であれば訳注つきの英語学習紙に挑戦してみましょう。パラグラフリーディングや要約文など実践的な勉強法も参考にしてください。
注釈・単語訳付きで辞書いらず。旬の話題と生きた表現が同時に学べる、一石二鳥の英字新聞「The Japan Times Alpha」