イギリス英語を学びたい人にとってハリーポッターは良い教材となります。著者のJ.K.ローリングがイギリス人のため小説はイギリス英語で書かれています。語彙や表現だけでなくストーリーや映画の舞台がイギリスなので、イギリスの文化や習慣を知る良いきっかけになります。ハリーポッターは魔法使いの話で、話の中に魔術や道具などがたくさん登場します。そのため、魔法の基礎知識があるとより楽しくハリーポッターで英語を学ぶことができます。
ハリーポッターで英語(あらすじ)
ハリーポッター・シリーズはイギリスを舞台にした魔法使いの話です。主人公のハリーポッターは赤ん坊の頃に両親を亡くし、親戚の家に預けられていましたがある日、自分が魔法使いであると知ります。ホグワーツ魔法学校に入学し同級生のロンやハーマイオニーと仲良くなり、友人やホグワーツの校長ダンブルドア、教授のスネイプを中心に魔法学校の生活が描かれています。また、ハリーの両親を殺害した闇の魔法使いヴォルデモートとの因縁の対決も描かれています。児童小説ですが子供から大人まで幅広い層に人気があり世界各国で翻訳されベストセラーになっています。
・ハリーポッター・シリーズ(小説)
第1巻 Harry Potter and the Philosopher’s Stone
ハリーポッターと賢者の石
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第2巻 Harry Potter and the Chamber of Secrets
ハリーポッターと秘密の部屋
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第3巻 Harry Potter and the Prisoner of Azkaban
ハリーポッターとアズカバンの囚人
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ハリーはアズカバンを脱獄したシリウス・ブラックに命を狙われていると知る。彼はヴォルデモートの部下でハリーの両親を裏切って殺害したと言われている。ハリーたちはロンの兄たちであるフレッドとジョージからホグワーツの地図を受け取って村を訪れた。そこでシリウスとハリーの父ジェームズが友人であったと分かり、シリウスが両親を裏切って死に追いやったと知り怒る。
第4巻 Harry Potter and the Goblet of Fire
ハリーポッターと炎のゴブレット
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第5巻 Harry Potter and the Order of the Phoenix
ハリーポッターと不死鳥の騎士団
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アズカバンから死喰い人が脱獄したニュースが入る。その中にはネビル・ロングボトムの両親を廃人にしたベラトリックス・レストレンジ(シリウス・ブラックの従姉)も含まれていた。ハリーは夢で見た予言を見つけるが死喰い人と乱闘となって予言は消滅し、シリウスはベラトリックスの呪文で死に追いやられた。ヴォルデモートとベラトリックスは逃亡し、魔法省はついにヴォルデモートの復活を認めた。
第6巻 Harry Potter and the Half-Blood Prince
ハリーポッターと謎のプリンス
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ハリーはヴォルデモートとの対決に備えてダンブルドアから個人授業を受け、ヴォルデモート(トム・リドル)の生い立ちや闇の魔術に傾倒していった理由を探っていく。ハリーはヴォルデモートが作りだした分霊箱の存在を知る。これは不死の力を秘めており全部で7つあるという。ハリーとダンブルドアは分霊箱を探し出して破壊しようと試みていた。二人は分霊箱を見つけ出したが、ダンブルドアは闇との戦いで衰弱していた。ホグワーツに戻る途中、彼らはドラコが死喰い人を手引きしているところを目撃。スネイプはダンブルドアを殺害し、ドラコとともに逃走する。
第7巻 Harry Potter and the Deathly Hallows
ハリーポッターと死の秘宝
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ヴォルデモートと死喰い人の集団は勢力を拡大していった。魔法省は闇の組織に乗っ取られて魔法大臣が殺害され、ホグワーツもスネイプが校長を務めていた。ハリーは過去に起こった様々な真実を知りショックを受ける。
ハリーは分霊箱を探索中に「死の秘宝」の伝説を知る。(ニワトコの杖、蘇りの石、透明マント)ハリーは分霊箱を見つけ出して壊していくが、ホグワーツは闇の組織に包囲されていた。しかし、ヴォルデモートは自分の放った呪いで命を落とした。
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*イギリス版では第1巻の小説のタイトルがPhilosopher’s Stone(賢者の石)となっていますが、アメリカ版ではSorcerer’s Stoneに修正されています。アメリカではPhilosopherという単語は「哲学者」を意味するため魔法使いという意味に繋がらないからだそうです。
*ハリーポッターの小説は映画化されています。最終巻の「ハリーポッターと死の秘宝」が映画ではPart1とPart2に分かれ、全8作となっています。
ハリーポッター シリーズ続編:
Harry Potter and the Cursed Child(ハリーポッターと呪いの子)
「ハリーポッター と死の秘宝」の最後で描かれた19年後から物語が始まる。ハリーの次男であるアルバスポッターを中心としたストーリー。原作を元にした二部作の劇。
ハリーポッターシリーズ スピンオフ:
Fantastic Beasts(ファンタスティックビースト・シリーズ)
「ハリーポッターと賢者の石」の70年前が舞台となっており、ホグワーツ魔法魔術学校指定教科書の著者ニュート・スキャマンダーが主人公。ハリーポッターシリーズのスピンオフとして映画化され、全5部作の予定。
・Fantastic Beasts and Where to Find Them(ファンタスティックビースト 魔法使いの旅)
・Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald(ファンタスティックビーストと黒い魔法使いの誕生)
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卑金属を金に変え、人間を不老不死にする力を持つ物質のこと。
鉛や水銀などの卑金属に混ぜ合わせるとこれを金に変え、これを溶かした液体はあらゆる病気を治す万能薬となります。伝説では中世の錬金術師たちが実際に賢者の石を持っていたと言われています。
ハリーポッターで英語(魔法の種類)
ハリーポッターのお話にはたくさんの魔法や重要な語句が登場します。原書を読む前にこれらの背景知識があると英語を読むのが楽になり理解力もアップします。
・原書を読む前に知っておきたい魔法に関する基礎知識
小説の中に登場する魔法用語や道具などに関する英語を掲載しました。日本語訳もつけてあるので参考にしてください。
bewitch (人に)魔法/呪文をかける
=to use magic to make someone do/think/say something
charm (人・動物を)操る
=magic powers and especially to prevent bad luck
enchantment 魔法を使う/かけること
=a magic spell
hex ~に魔法をかける、魔法
=a magical spell that is meant to cause bad luck for someone
incantation 魔法をかけるときに唱える呪文
=a series of words used to make something magic happen
jinx 縁起の悪いもの/人、(人などに)不運をもたらす
=someone or something that causes bad luck
spell 魔法(魔法・呪文全体について用いられる語)
=a group of secret words that are believed to have magic power
witchcraft 魔法、魔術
=magical things that are done by witches / magical powers obtained from evil spirits
wizardry 魔法、魔術
=magical things done by a wizard
・魔法使いが用いている魔法の道具と小道具
cloak (袖なしの)マント
quill 羽根ペン
robe 儀式などで羽織る長い外衣:儀式に出席するにはrobeとsorting hat (組分け帽子)の着用が義務づけられている
scar 傷跡(ハリーが赤ん坊の頃、ヴォルデモートからこの傷を受けた)
Diagon Alley ダイアゴン横丁(ホグワーツ魔法学校で使う教科書や学用品が売られている商店街)
Quidditchクィディッチ(ほうきに乗って空中で行う魔法界のゲーム)
Muggle マグル(魔法使いの血が混じっていない人間、魔法界の用語)
魔道具:薬草の調合をしたり、グツグツ煮込む鍋
魔道具:ハリーの亡き父(ジェームズ)が遺してくれたマントでこれをまとうと姿が消える。
魔道具:預言書や魔術書などがある。
魔道具:賢者の石/不老不死の霊薬「エリクサ」が有名。
魔道具:多くの魔術師が小道具として用い、魔力を秘めている。
Unforgivable Curses 魔法省の規定により禁止されている「許されざる呪文」
・Imperius Curse(服従の呪い)Imperio [相手を完全に支配する呪い]
・Cruciatus Curse(磔の呪い)Crucio [相手に苦痛を与える呪い]
・Killing Curse(死の呪い)Avada Kedavra [相手を死に至らせる呪い]
ハリーポッターで英語(多読)
ハリーポッターは児童小説ですが大人にも大人気です。英語のネイティブスピーカーだと目安として10歳以上の子供が読めるレベルです。英語を学習している外国人にとっては多少語彙が難しく感じるかも知れません。ハリーポッターで多読を行うには以下を参照してください。
・ハリーポッターの英語レベル
本の読みやすさのレベルとしてYL(多読を推進しているSSS英語学習法研究会)という数値を目安に本を選ぶと良いでしょう。YLは0.0~10.0の数値で表し、数値が小さいほど読みやすくなります。(10.0は難しすぎて多読には適さない)
Penguin ReadersのLevel 6は、YL 6.0~7.0のレベルにあたります。(英検準1級~1級)児童書では『Harry Potter and the Philosopher’s Stone』がYL 6.0~7.0レベルです。
YL 7.0以上は英検1級以上のレベルになるため難易度がかなり高くなります。多読用の本を選ぶ際、この数値を参考にしてください。
ハリーポッター・シリーズ
・Harry Potter 6.0~7.5
・ホグワーツ魔法魔術学校に関する知識
ハリーポッターで多読を行う際、ハリーたちの通うホグワーツ魔法魔術学校に関する知識があると読書に大変役立ちます。
Hogwarts School of Witchcraft and Wizardry 「ホグワーツ魔法魔術学校」
・house (学寮) → Gryffindor / Hufflepupp / Ravenclaw / Slytherin
・dormitory(共同寝室)
・common room (談話室)
house points system(点数制):学年の終わりに最高点を取得した寮はhouse cupが授与される
prefect 校長によって選ばれた「監督生」:学校の風紀を維持するために学内をパトロールする
・Gryffindor(グリフィンドール)
・Hufflepupp(ハッフルパフ)
・Ravenclaw(レイブンクロー)
・Slytherin(スリザリン)
・Defence Against the Dark Arts(闇の魔術に対する防衛術)
・Potions(魔法薬学)
・Arithmancy(数占い)
・Ancient Runes(古代ルーン文字)
・Divination(占い学)
・Muggle Studies(マグル学)
・Care of Magical Creatures(魔法生物飼育学)
・Transfiguration(変身術)
・Astronomy(天文学)
・Herbology(薬草学)
・History of Magic(魔法史)
・Charms(呪文学)
まとめ
今回はイギリスに興味がある人やイギリス英語を学びたい人、ハリーポッターファン向けに原書でハリーポッターを楽しむ方法をご紹介しました。簡単なあらすじと小説に登場する魔法用語(英語と日本語訳)を掲載したので原書を読む前に参考にしてください。こういった背景知識があると原書を読むのがかなり楽になります。また、小説を読む前に映画を見てストーリーを頭に入れておくと理解力がアップするのでおすすめです。
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