ハリーポッターに登場する錬金術・賢者の石【初心者向けに完全解説】

ハリーポッターは魔法使いのお話です。イギリスが舞台で登場人物が多く、魔法の種類もたくさんあります。イギリスはハリーポッターだけでなく、魔法使いが登場するファンタジー小説や映画が老若男女に大人気です。それはイギリスという土地柄も関係しています。今回はハリーポッター・ファンに向けて、第1巻『ハリーポッターと賢者の石』に登場する錬金術と賢者の石について解説していきます。イギリスや魔術の歴史を知っているとさらに楽しめます。

 

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ハリーポッターと錬金術(歴史)

 

ハリーポッターにも登場する錬金術の起源は古代中国やヘレニズム期(ギリシャ思想)のエジプトが起源とされ、イスラム世界へ伝わり発展した。万物は四元素から構成されていると考えたアリストテレスら古代ギリシャの哲学者の物質観は、中世アラビアの錬金術に多大な影響をもたらした。錬金術のことを英語では「アルケミー」と呼ぶが、その語源は「ケムの国(エジプト)の技術」に由来するという説が一般的に有名。

 

・魔術(錬金術)の歴史

 

 

錬金術(alchemy)とは?

鉛などの卑金属に一定の人為的操作を加えることで、金や銀などの貴金属に変える技術のことを言います。

 

 

世界に存在する万物は四大元素「地・水・火・風」の4つのエレメントから構成されると考えられた。そのため、その組成を人為的に変え、ある物質を別の物質に変えることも理論的には可能であった。

 

 

 温     

  ↕

 寒     

     乾  ↔ 湿

 

アリストテレスは元素を相反する2つのペア「温・寒」「乾・湿」と考えた。

アリストテレスの四元素説はギリシャ・ローマ医学の基礎「四体液説」と関連付けられた。

 

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薬の歴史を紐解けば自然の中にある植物が治療に使われてきました。現代では医薬品に取って代わられましたが、そのルーツは薬草で…

 

 

錬金術の基本となった概念

・ヘルメス思想(神秘主義的思想で、その中に錬金術も含まれる)

・錬丹術(古代中国では丹砂【硫化水銀】で作られた金を服用=長寿)

・四大説(万物は四大元素から構成されている)

・神秘的解釈(罪ある人間を完全無欠の人間に転ずる方法)

 

 

 

ヨーロッパにおける魔術

古代エジプトからイスラム世界へ伝わり、中世ヨーロッパで錬金術がさかんに行われた背景には以下のような理由があります。ルネッサンス時代において錬金術は魔術とほとんど同意語であり、数学・天文学・物理学・医学など世界最先端の科学技術とともにイスラム世界から流入してきました。

・ルネッサンスにおける古代異教の復活

・アラビア科学の導入による科学技術の発展

・宗教改革によるキリスト教の変容

 

 

宗教改革とは?

中世時代、聖職者は神の代理人と崇められていた。しかし教会は人々の罪を救うとして「免罪符」の販売を始め、不安や恐怖などを煽った。1517年ルターがカトリック教会の腐敗を追及し、その改革を企てた運動を宗教改革と呼ぶ。その結果、プロテスタントが生まれた。

 

 

Flora
宗教改革は教会という媒介者を通してではなく、人間が神と直接対峙する状況を導入した。

 

Keroppy
ルネッサンス期、古代密議宗教の時代から継承されてきたものを個人レベルで復活させた。

 

 

魔術の歴史

  1. 古代魔術(自然現象や霊的存在)からルネッサンス魔術へ
  2. ルネッサンス期に錬金術や占星(護符)魔術が流入
  3. キリスト教神学の確立とともに古代異教の神々との軋轢(魔女狩りなど)
  4. キリスト教の退潮にともないヴィクトリア時代に魔術がトレンドとなる

 

 

 

ハリーポッターと錬金術(フラメル)

 

19世紀後半~20世紀初頭にかけてイギリスでは産業革命が起こり、世界に先駆けて自然科学分野で世界を先導していた時代。それと並行してキリスト教の退潮が顕著となり、さまざまな代替宗教が登場しました。この時代、魔術を推進するような集団や秘密結社などがヴィクトリア時代のトレンドになっていました。

 

ハリーポッターなどに登場する魔法使いのお話は、ヴィクトリア時代に魔術が流行したイギリスという土地柄が起因していると分かります。

 

 

・ハリーポッターと賢者の石

 

原題: Harry Potter and the Philosopher’s Stone

 

簡単なあらすじ

両親を亡くしたハリーは親戚のダーズリー家に預けられる。ある日、ハリーは蛇と会話できる不思議な能力に気づく。11歳になろうとしていたハリーの元に、突然ホグワーツ魔法学校から入学許可書が届き、ハグリッドから自分が魔法使いだと聞かされる。ハリーはホグワーツ魔法学校でニコラス・フラメルという謎の錬金術師の噂を知る。ホグワーツ魔法学校の校長のアルバス・ダンブルドアがフラメルと友人であることが判明し、唯一彼だけが賢者の石を所有していると分かる。

 

 

◆Chapter 13: Nicolas Flamel

The ancient study of alchemy is concerned with making the Philosopher’s stone, a legendary substance with astonishing powers. The Stone will transform any metal into pure gold. It also produces the Elixir of Life, which will make the drinker immortal.

   There have been many reports of the Philosopher’s Stone over the centuries, but the only Stone currently in existence belongs to Mr Nicolas Flamel, the noted alchemist and opera-lover. Mr flamel, who celebrated his six hundred and sixty-fifth birthday last year, enjoys a quiet life in Devon with his wife, Perenelle (six hundred and fifty-eight).

 

古代の錬金術の研究は、驚異的な力を持つ伝説の物質、賢者の石を作ることに関係している。この石はあらゆる金属を純金に変える。また、飲んだ者を不老不死にする命の霊薬エリキサも作り出す。

   賢者の石については何世紀にもわたって多くの報告があるが、現在現存する唯一の石は、著名な錬金術師でありオペラ愛好家でもあるニコラス・フラメル氏のものである。昨年665歳の誕生日を迎えたフラメル氏は、妻のペレネル(658歳)とデヴォンで静かな生活を楽しんでいる。

 

 

賢者の石

ハリーポッターの中に出てくる賢者の石は、卑金属を金に変える力を持つ特殊な物質で一般的に赤い色をした石と考えられている。上記の原文(抜粋)にも書いてあるとおり “この石はあらゆる金属を純金に変える。” また、これを溶かした液体(命の霊薬エリキサ)は ”飲んだ者を不老不死にする” と述べられている。

 

 

ニコラス・フラメル

水銀を金に変えた伝説の錬金術師。賢者の石の力で夫人ともども不死の身となり現代も生きているという伝説がある。フラメルはパリ近郊に生まれ教会近くで代書屋や本屋を営んでいた。

彼が錬金術に出会ったのは1361年頃「アブラハムの書」と呼ばれる錬金術書を手に入れたのがきっかけとされている。この書物の読解は容易ではなかったが、1382年4月25日に初めて水銀から金を作ったと記録されている。

 

 

 

 

 

・ファンタスティック・ビースト

 

ファンタスティック・ビーストは、J・K・ローリング原作「ハリーポッターと賢者の石」の70年前を舞台にした映画作品で全5作の予定です。(3作まで公開済み)

 

・『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016年)

・『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018年)

・『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022年)

 

 

ハリーポッター第1巻『ハリーポッターと賢者の石』の中で、フラメルはダンブルドアの友人として登場する。ハリーがクィレルを倒したあと、フラメルとダンブルドアは話し合って賢者の石を壊す。

ハリーポッター・シリーズのスピンオフ作品(映画)『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』でもニュートたちとともに結界を張って被害の拡大を防ぐためフラメルが登場する。

 

 

ニュート・スキャマンダー  : 映画ファンタスティック・ビーストシリーズに登場する主人公。ホグワーツではハッフルパフに所属。イギリスの魔法生物学者。ホグワーツの魔法生物飼育学(Care of Magical Creatures)の授業で使われている指定教科書「幻の動物とその生息地(Fantastic Beasts and Where to Find Them)」の著者。トランクの中に多数の魔法動物が暮らしている。

 

 

WARNER BROS. Studio Tour London

 

The Making of Harry Potter(メイキング・オブ・ハリーポッター)

住所:Studio Tour Drive, Leavesden, WD25 7LR

行き方: ロンドンユーストン駅からワトフォード・ジャンクション駅まで20分、そこからバスに乗り換えて15分

 

オフィシャルHP

https://www.wbstudiotour.co.uk/

 

 

 

                                                                                                                     

まとめ

 

魔術の歴史(錬金術)とハリーポッター・シリーズの解説をしました。第1巻のタイトルにもなっている賢者の石は、卑金属を金属に変える錬金術に使われる特殊な物質(赤い石)のことを指します。原文も掲載したので参考にしてください。

 

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