【ジェーン・エア】あらすじと英ヴィクトリア朝文学・ブロンテのロケ地

ジェーン・エアは1847年シャーロット・ブロンテによって出版された自伝的長編小説です。作品の中に登場する人物や出来事は実際の話がモデルになっています。執筆した当時はイギリス・ヴィクトリア朝時代で、社会的弱者や女性、道徳、財産、自由恋愛などを取り上げた作風は大きな反響を呼び、一躍有名作家になりました。今回は世界的にも有名なジェーン・エアとゆかりの地をご紹介します。

 

ジェーン・エア あらすじと登場人物

 

ジェーン・エア(Jane Eyre)は1847年にイギリスの作家シャーロット・ブロンテによって出版されたヴィクトリア朝文学の小説です。この作品は、孤児ジェーン・エアの成長と自己発見の物語であり、当時の社会問題や道徳、女性の独立と自己尊重などをテーマにしています。

 

ジェーン・エア 簡単なあらすじ

 

シャーロット・ブロンテの自伝的小説です。作品に登場するローウッド学院は、シャーロットがかつて通っていたカウアン・ブリッジ校がモデルになっています。この学校は生徒管理の怠惰や衛生状態の悪化から実際にシャーロットの姉二人が肺炎で亡くなっています。また、教師や生徒も実在の人物がモデルになっていると言われています。

ジェーン・エアは両親が亡くなったため孤児となった。義理の伯母リード夫人に預けられるが夫人やその子供たちから虐待を受けて育つ。ジェーンが10歳になると、リード夫人は厄介払いのために寄宿学校に送ることにした。リード夫人の悪知恵を吹き込まれていた学校のブロックルハースト氏は冷淡で偽善的な牧師だった。しかし学校では心優しいヘレン・バーンズと出会い友達になる。しかし、ヘレンは学校で結核にかかり亡くなってしまう。ジェーンは生徒・教師として8年間ローウッドで過ごした後、家庭教師としてソーンフィールド邸に雇われることになった。

 

ソーンフィールド邸では後見人であるロチェスターの幼いフランス人少女アデルの家庭教師として働くことになった。ロチェスターはソーンフィールドを所有する大地主の資産家だった。ロチェスターとジェーンは互いに恋愛感情を抱いていくが、身分違いでありロチェスターにはブランシュという女性との結婚のうわさもあった。ジェーンはロチェスターからは身分を超えた結婚を申し込まれ受け入れることにした。しかし、結婚式当日になって狂人の妻バーサがいることが判明した。それは神の意志にそむくもので重婚は厳罰であったため、ジェーンは一人でソーンフィールドを去った。

 

ジェーンは一人で路頭に迷い行き倒れそうになっていたが、牧師のセント・ジョンに救われた。セント・ジョンと彼の妹たちの助けを得たジェーンは、彼らの家に身を寄せることにした。のちにセント・ジョンとジェーンは従兄であることが分かる。セント・ジョンはジェーンに宣教師の妻になって欲しいと求婚するが、ジェーンには恋愛感情がなく苦悩する。信仰心から彼の求婚を承諾しようとしたが、ロチェスターのことが頭によぎりセント・ジョンを拒んで家を出た。

 

その後、ソーンフィールド邸が家事になり、世間に事実を隠すため屋根裏部屋に幽閉されていたバーサ夫人が亡くなったと知る。ロチェスターも惨事で片腕を失い、盲目になった。ジェーンがロチェスターの元を訪れ、真実の愛は財産も年齢も健康も障害にはならないと言って彼を諭し、二人は静かに結婚式を挙げる。

 

 

 

 

ジェーン・エア 主な登場人物

 

・ジェーン・エア

両親の死後に孤児になるが意志の強い女性。義理の伯母リード夫人やその子供たちから虐待を受けて育ち、寄宿学校へ送られる。8年間学校で過ごしたのち、ソーンフィールド邸でアデルの家庭教師となる。

 

・エドワード・フェアファックス・ロチェスター

ソーンフィールド邸の主人で、大地主の資産家。父と兄から結婚持参金狙いで策略にはまり不幸な結婚を強いられ自暴自棄な生活を送っていた。妻のバーサは狂人で屋根裏部屋に幽閉していたが、実は誠実で深い愛情を持った男性である。

 

フェアファックス夫人

ロチェスターの遠縁にあたる人で家政婦

 

アデール・ヴァランス

ロチェスターが引き取っていた幼いフランス人の女の子。実際にはロチェスターとフランス人の踊り子セリーヌとの間に生まれた娘。母親の死後にロチェスターが後見人となった。

 

リチャード・メイソン

ロチェスターの旧友と称する男だが、実はロチェスターの正妻バーサの兄。ソーンフィールド邸で異様な事件に遭遇する。

 

ブランシュ・イングラム

ロチェスターと結婚のうわさがある女性

 

リード夫人

ジェーンの義理の伯母。ジェーンを毛嫌いし虐待する。寄宿学校の面談のとき学校に嘘を吹き込む。

 

ヘレン・バーンズ

ローウッドで出会った友達。信仰心があつく優しい女性だが結核で亡くなる。

 

ブロックルハースト

ローウッド学院の先生。冷酷で偽善的な牧師。

 

セント・ジョン・エア・リヴァーズ(牧師)

青年牧師でジェーンとは父方の従兄。神から与えられた使命を全うするためジェーンに宣教師の妻になって欲しいと求婚する。

 

 

 

 

ヴィクトリア朝文学とは?

イギリス・ヴィクトリア女王(在位1837-1901年)の治世に書かれた文学で、当時は大英帝国が世界で栄華を誇っていた時代。政治・経済のみならず、科学や文学といった分野でも卓越していた。

 

 

ヴィクトリア朝文学を代表する作家チャールズ・ディケンズ。18世紀半ば~19世紀は産業革命によってイギリスが繁栄した時代であるが、その一方で貧富の差が拡大し社会問題になった時代でもある。ディケンズの作品には、抑圧された貧しい人々が登場し社会問題を風刺しました。

 

 

Keroppy
シャーロット・ブロンテの作品にも当時の社会問題、社会的弱者や女性の自立、自己尊厳などがテーマになっています。

 

Jane Eyre

“I care for myself. The more solitary, the more friendless, the more unsustained I am, the more I will respect myself”

「私は自分を大切にする。孤独であればあるほど、友だちがいなければいないほど、乏しければ乏しいほど、私は自分自身を尊重する」。

 

  • 愛と独立:ジェーンは愛を求めながらも、自己の尊厳と独立を重んじます。ロチェスターとの関係においても、自分の信念を曲げずに行動します。

 

  • 道徳と宗教:ジェーンは常に道徳的な判断を重視し、困難な状況に直面しても正しい行いをしようと努めます。また、宗教的な信念が彼女の行動を導く場面も多くあります。

 

  • 社会と階級:作品はヴィクトリア朝時代のイギリス社会を背景にしており、階級差やジェンダーの問題が重要なテーマとして描かれています。

 

 

シャーロットの姉エミリー・ブロンテもヴィクトリア朝文学の作家の一人として高い評価を受けています。

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ジェーン・エア ロケ地

 

イギリス・ダービーシャーの国立公園ピークディストリクトは文学の舞台、映画やドラマのロケ地として有名です。ジェーン・オースティンの「プライドと偏見」の映画撮影も行われました。日本人にはあまり馴染みのない場所ですが、湖水地方と並んでイギリスでは大変人気のある観光スポットです。

 

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ロチェスターのソーンフィールド邸(ハドン・ホール)

 

ロチェスターのソーンフィールド邸として映画の撮影に使用されました。中世の香りが漂う11世紀に建てられた邸宅です。https://www.haddonhall.co.uk/discover/films-tv/

 

住所:Haddon Hall, Bakewell, Derbyshire DE45 1LA

行き方:最寄り駅(マトロックなど)からバスで30分から1時間

We have excellent train links with many major UK stations via Matlock, Sheffield, Derby or Chesterfield. Bus services (see ‘Bus’ tab) from each station run directly to our driveway, or taxis to the Hall take between 30 minutes – 1 hour and cost between £30 – £50.

 

オフィシャルサイト

https://www.haddonhall.co.uk/

 

 

 

 

 

ジェーン・エア(アマゾン・プライム)

 

映画の中で、ジェーンが部屋の中から外を眺めているシーンが何度も登場します。

 

 

 

 

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まとめ

 

世界的に有名な自伝的小説ジェーン・エアのあらすじとロケ地をご紹介しました。イギリス・ヴィクトリア朝文学を代表する作品。当時の社会問題や女性の自立、尊厳などがテーマにあり画期的な作風で作者のシャーロット・ブロンテは一躍有名になりました。また、ピークディストリクトはジェーン・オースティンの「プライドと偏見」や「ジェーン・エア」のロケ地として有名なので、イギリス観光におすすめです。

 

 

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