ダ・ヴィンチ・コードと聖杯―謎解きを徹底解説【ネタバレ注意】

世界的なベストセラー作家のダン・ブラウン。歴史、宗教、芸術、文学、科学、秘密結社などを背景に壮大な世界観で繰り広げられる推理、ミステリー小説家です。彼の作品はハーバード大学宗教象徴学教授「ロバート・ラングドン」シリーズとなっています。ダ・ヴィンチ・コードは世界的な大ヒットになってさまざまな言語に翻訳され映画化もされました。彼の作品を原書で読んでみたい人、映画を見たけれど背景知識がなくてよく理解できなかった人に向けて解説していきます。

 

ダ・ヴィンチ・コードと聖杯(ラングドン・シリーズ謎解き)

 

ダン・ブラウンはアメリカの推理、ミステリー作家で、2003年に発表したダ・ヴィンチ・コードが世界的なベストセラーになってその名を世界に知らしめました。ダ・ヴィンチ・コードの主人公ロバート・ラングドンは本作をはじめ、天使と悪魔、ロスト・シンボル、インフェルノ、オリジンに登場しシリーズ化しています。

 

 

ロバート・ラングドン シリーズ

・天使と悪魔(2000年)

・ダ・ヴィンチ・コード(2003年)

・ロスト・シンボル(2009年)

・インフェルノ(2013年)

・オリジン(2017年)

 

その他

・パズル・パレス(1998年)原題はDigital Fortless(デビュー作)

・デセプション・ポイント(2001年)

 

 

ダ・ヴィンチ・コードと聖杯(謎解きを徹底解説)

 

今回は世界的ベストセラーになったダン・ブラウンのダ・ヴィンチ・コードをご紹介します。書籍は世界各国で翻訳され映画化もされています。原作では「天使と悪魔」に次ぐロバート・ラングドン・シリーズ第2作目ですが、映画ではダ・ヴィンチ・コードがシリーズ1作目で、続編が天使と悪魔になっています。

・あらすじ(ネタバレ注意)

 

ルーヴル美術館の館内で館長のジャック・ソニエールの死体が発見された。ハーバード大学の宗教象徴学教授であったロバート・ラングドンはフランス警察から捜査協力を求められ、ソニエールの孫であり暗号解読官のソフィー・ヌヴーと一緒に事件の真相に迫る。

 

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ソニエールの死体はレオナルド・ダ・ヴィンチの「ウィトルウィウス的人体図」を模して床に横たわっており、遺体には血で五芒星が描かれ猟奇的殺人事件だった。ソニエールはラングドンと会う約束をしていたことから警察は犯人がラングドンだと思い込んでいた。ラングドンとソフィーは警察に追跡される憂き目に遭うが、彼らは真犯人探しに乗り出す。

 

 

ソニエールが持っていたユリの紋章の鍵から彼がシオン修道会の会員だったと判明する。
ラングドンはダ・ヴィンチが残した謎を解明するために暗号(コード)を解く必要がある。

 

五芒星 (Pentagram)

五芒星は魔法のシンボルとして用いられる。通常、逆五芒星は邪悪な意味を持つことが多い。西洋魔術ではソロモンの封印と呼ばれ、魔法円を描くときに使われる。

 

 

 

1.リー・ティービングと聖書にまつわる物語

事件の真相を解明するために旧友のリーを訪れる。

この事件の背後には聖書にまつわる聖杯の確執があると分かり、キリスト教絵画「最後の晩餐」に隠された謎を解き明かす。

 

聖杯(Holy Grail)

イエス・キリストが最後の晩餐で用いた杯

この杯はイエスが磔にされたときに流した血を受けたと言われている。

聖杯にはあらゆる傷病を癒やす力があり、永遠の命が得られるという。

 

 

 

2.レオナルド・ダ・ヴィンチと最後の晩餐

 

最後の晩餐

新約聖書ではイエスが裏切り者(ユダ)を告知する場面として有名です。

レオナルド・ダ・ヴィンチの宗教画ではキリストと弟子たちが描かれている。

 

ダ・ヴィンチの作品「モナリザ」と同様に絵画の中にはイエスと弟子たちにおける様々な説があり謎が隠されている。(マグダラのマリア)

 

 

 

 

 

3.マグダラのマリアとシオン修道会

 

イエスとマグダラのマリアとの間には子供(女児)がいたという説がある。(真偽不明)

しかし、カトリック教会では女性がキリストの後継者として存在することを禁じていたためイエス・キリストの血を断ち、シオン修道会によって封じられたという。

 

→ラングドンは「聖杯の確執」とは、マグダラのマリアの子孫だと分かる。

 

 

作品の中では、保守的なカトリック教会(オプスデイ)は男性の威厳を守るためキリストの後継者とみられる女性を見つけ出して殺していた一方で、シオン修道会は聖杯の秘密を隠してマリアの末裔を守り続けていた。

 

カトリック教会(オプスデイ)  VS   シオン修道会

 

*オプスデイもシオン修道会も実存する団体ですが作品はフィクションであり、オプスデイは実際にカルト団体ではありません。

 

 

聖杯伝説

  • イエスの弟子であったアリマタヤのヨセフによって杯はイギリスあるいはフランスに持ち出されたと言われ、これが「アーサー王の聖杯伝説」とも結びついた。

 

  • また今回のダ・ヴィンチ・コードで問題となったシオン修道会にまつわる話では、イエスは十字架に磔になったが生き延びてマグダラのマリアとともにフランスに逃亡し「イエスの血脈」であるという伝説も浮上した。

 

 

 

4.聖杯とテンプル騎士団

 

聖杯を探し出すためテンプル騎士団の墓所へ向かうが聖杯はなく、レオナルド・ダ・ヴィンチとともにシオン修道会に名を連ねていたアイザック・ニュートンの墓所ウエストミンスター寺院へ向かう。

しかしそこでリーの裏切りにあう。リーは聖杯の在処を聞き出すためその場にいたソフィーを人質にしてラングドンに暗号を解くように命令したが、ラングドンは聖杯の暗号(クリプトロジー)を壊してしまう。

 

 

ウェストミンスター寺院

イングランド国教会:戴冠式など王室行事が執り行われる。寺院には歴代の王や女王、著名な政治家、科学者、文学者などが埋葬されている。

 

 

5.聖杯の眠る墓所とソフィーの家族

 

ラングドンとソフィーは聖杯の眠る墓所、ロスリン礼拝堂へ向かう。そこにはマグダラのマリアは眠っていなかったが、シオン修道会が残した資料が大量に残されていた。そこで出会った老女とソフィーの関係とは・・・。(結末は書籍か映画でどうぞ!)

 

「聖杯は古のロスリンの下で待ち、その門を剣と杯が庇い護る。匠の美しき芸術に囲まれて横たわり、ついに星の輝く空の下に眠る。」

 

 

6. ローズライン

 

イギリスからフランスに戻ったラングドン。洗面台に流れた血を見て暗号のローズラインのことが頭に浮かぶ。マグダラのマリアの遺体はローズライン上にあると気づき、マリアの遺骨の入った棺を見つけ出す。

 

*ローズラインとは北極と南極を結ぶ子午線のこと。

ダ・ヴィンチ・コードではサン・シュルピス教会にある日時計(ローズライン)に謎が隠されていると描かれていた。また作品のラストではルーヴル美術館のピラミッドの下(ローズライン)にマリアの棺があった。

 

 

サン・シュルピス教会

パリにあるカトリック教会。ダヴィンチコードではローズラインに謎が隠され、秘密を封印しているキーストーンが眠っているという設定だが、教会側は話を否定している。ダヴィンチコードの人気もあってか観光客で賑わっている。

 

*フィクションとは言え、実在する団体や建物、人物が複数登場するため好奇心を刺激される作品で多くの読者を魅了しました!

 

 

 

聖杯伝説にまつわる秘密結社

 

シオン修道会

イエス・キリストとマグダラのマリアの血統を守るため11世紀(1090年)に結成された。

→テンプル騎士団やフリーメイソンはシオン修道会の影響下にあったと言われている。

 

シオン修道会には伝説的な錬金術師であったニコラ・フラメル(賢者の石で不死身となり今でも生き延びている伝説)やレオナルド・ダ・ヴィンチ、アイザック・ニュートン、ヴィクトル・ユゴーなど世界に名を馳せた人物が加入していた。

 

 

テンプル騎士団

中世における騎士修道会の草分けで、本来は十字軍による聖地エルサレムに赴いていた聖地巡礼者を守る団体だった(1118年シオン修道会から分立)。

しかし1188年、シオン修道会とテンプル騎士団は分離する。

その後テンプル騎士団は神を否定し悪魔崇拝をしていたことから、1312年フランス王の命により騎士団は解散した。

 

 

フリーメイソン

テンプル騎士団の解散後、フランスを去った一部の団員がスコットランドへ逃亡。

スコットランドのテンプル騎士団はその後スコットランド独立戦争に加担し、地下組織の母体(フリーメイソン)となったと言われている。

単なる親睦団体という見方もあるが歴史的事件の背後にはフリーメイソンの動きが見られ、魔術師も多く加入している。

 

 

ダ・ヴィンチ・コードと聖杯(謎解きを原書や映画で楽しむ)

 

ダ・ヴィンチ・コードは日本語に翻訳されたものを読むのも楽しいですが、英語が得意な方は原書に挑戦するのも良いと思います。映画なら英語音声、英語字幕で見ると英語力が向上します。

 

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ダン・ブラウンの作品の多くは歴史、宗教、芸術、科学などを背景とした推理、ミステリー小説ですが、ダ・ヴィンチ・コードは聖杯や秘密結社などが登場。伝説や魔術を物語のテーマにしている西洋ファンタジー色も濃くてミステリーとファンタジー両方楽しめます。

 

 

・ダ・ヴィンチ・コードで多読をしたい

 

洋書を多読する場合、本の読みやすさのレベルとしてYL(多読を推進しているSSS英語学習法研究会)という数値を目安に本を選ぶと良いでしょう。YLは0.0~10.0の数値で表し、数値が小さいほど読みやすくなります。(10.0は難しすぎて多読には適さない)

Penguin Readers(GR)のLevel 6は、YL 6.0~7.0のレベルにあたります。(英検準1級~1級)

ダン・ブラウンの『The Da Vinci Code』はYL 8.0~9.0レベルです。

YL 7.0以上は英検1級以上のレベルになるため難易度がかなり高くなります。多読用の本を選ぶ際、この数値を参考にしてください。

 

Keroppy
ダン・ブラウンの作品やシリーズはほとんどYL 8.0~9.0レベルです。

 

 

まとめ

 

世界的なベストセラーになったダ・ヴィンチ・コードをご紹介しました。この物語を楽しむためには西洋の歴史やキリスト教の知識があるとより深く理解できます。聖杯伝説、最後の晩餐、イエスとマグダラのマリア、秘密結社などキーワードがたくさん出てきます。分かりやすく解説したのでぜひ参考にしてください。

 

 

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