イギリスの文化において紅茶や伝統的なお菓子であるスコーンは切り離せません。アフタヌーンティーと呼ばれている昼食と夕食の間に食べる軽食はイギリスの伝統的な習慣です。また、年末年始になると食卓に並ぶ伝統的なクリスマス・プディング(イギリスのクリスマスケーキ)やミンスパイが有名です。その他にもブラックバンやショートブレッド(スコットランド地方のお菓子)、ウェルシュケーキ(ウェールズ地方の焼き菓子)なども伝統的なイギリスのお菓子です。これから年末年始を迎えるにあたり、イギリスでは多くの人々がクリスマスの伝統的なスイーツ食します。この時期にイギリスに海外旅行に来る予定がある人は是非試してみてください。
イギリスの伝統的なお菓子
イギリスの伝統的なお菓子と言えば「スコーン」を思い浮かべる人が多いと思います。
イギリスではスコーンと一緒に頂く紅茶も人気があり、イギリス人は毎日紅茶を飲んでいます。
今回は、イギリスの伝統的なお菓子をご紹介します。
・アフタヌーンティー(Afternoon tea)
アフタヌーンティーはもともとイギリスの上流社会の文化に欠かせなかった習慣です。
紅茶やスコーンなどのお菓子を楽しむだけでなく、礼儀作法や室内装飾、家具調度品、食器、会話のセンス、知識や教養などが必要されます。
優雅な午後のひとときに、三段重ねのティースタンドに載せられたスコーン、ケーキ、サンドイッチを紅茶と一緒に頂きます。
現在では食事を兼ねたアフタヌーンティ-の習慣は一般人にも広く普及しています。
・クリームティー(Cream tea)
クリームティーはアフタヌーンティーの一種。
基本的に紅茶とスコーンのセットでクロテッドクリームとジャムが付いてきます。
・エクルズケーキ(Eccles cake)
マンチェスターのエクルズという街から生まれた焼き菓子です。
ペイストリーにカラント(小粒のレーズン)を詰めて焼いたもの。
商品のパッケージにはLancashire Eccles cakeとなっていますが、昔ランカシャーに属していた名残だそうです。
・ベイクウェルプディング/タルト(Bakewell pudding/tart)
ベイクウェルプディング(イングランド・ベイクウェル由来)はジャムのペイストリーで、中身は卵とアーモンドペーストで作られています。
ベイクウェルタルトはショートクラスト生地にジャムと洋菓子用のクリームをのせた砂糖菓子です。
→ベイクウェルはジェーン・オースティンの小説『高慢と偏見』で登場するイングランド(ピークディストリクト)にある町
→チャッツワースハウス(デヴォンシャー公爵の邸宅)やハドンホールが観光地として有名
ピーク・ディストリクト
イングランド中央部に位置する国立公園で小さな山と渓谷が美しい。町巡りとウォーキングが楽しめます。
ピークディストリクトは北部のダーク・ピーク(グロサップ:岩場や湖、渓谷など景色が素晴らしい)と南部のホワイトピーク(バクストン:古代からよく知られる保養地)に分けられます。また、東部はマナーハウスが多く観光スポットになっているベイクウェルが起点となります。
チャッツワース
映画『プライドと偏見』のロケ地(小説に登場するペムバリー館のモデル)
ハドンホール
チューダー様式のホールとエリザベス朝の庭園を備えた邸宅で映画のロケ地として利用されることが多い
・ウェルシュケーキ(Welsh cake)
ウェールズ地方の伝統的な焼き菓子です。
丸い円盤状に焼き上げたケーキのうえに上白糖がまぶしてあります。
中にはドライフルーツが入っていて、バターやジャムを塗って食べることもあります。
ウェールズ
ウェールズはケルト文化を継承していて、現在でも公用語としてウェールズ語が使用されています。
山がちの地形で北と南に分かれており、スノードニア国立公園とブレコン・ビーコンズ国立公園があります。
中央にはカンブリア山脈が走っている。南ウェールズには首都のカーディフがあります。
イギリスで年末年始に食べる伝統的なお菓子
・クリスマスプディング(Christmas Pudding)
クリスマスプディングはイギリスの伝統的なクリスマスケーキ。
ブランデー漬けにしたドライフルーツなどを入れた蒸しパンのような食べ物で熟成させるの何ヶ月もかかる。
中に指輪やコインを入れて占いをする風習があります。
・ミンスパイ(Mince Pie)
もともとパイ生地の中に挽肉を詰めていたようですが、現在はドライフルーツが具材になっています。
ミンスパイはクリスマスに食べるお菓子でクリスマス(12月25日~12日間)に12個のミンスパイを食べると幸せになれるとか。
イギリスのクリスマス菓子として有名なミンスパイのレシピをご紹介します。
詳しくは下記のサイトを参考にしてください。
・ブラックバン(Black bun)
スコットランドの伝統的なお菓子でフルーツケーキの一種。
スコットランドでは大晦日のホグマニー(Hogmanay)を祝う習慣があり、大晦日や新年を祝ってブラックバンを食べます。
スコットランドの伝統的なお菓子と言えば、ダンディーケーキ(スコットランド・ダンディー生まれのフルーツケーキ)やショートブレッド(ビスケット)も有名です。
→スコットランドではクリスマスよりもホグマニーを大々的に祝う風習があります。
→ホグマニーには火を使う行事が多く、これは太陽を表し悪霊を退治すると信じられています。
スコットランド
スコットランド地方の首都はエディンバラで、エディンバラ城などイギリスの歴史を語る上で重要な見所があります。スコットランド北部にはハイランドと呼ばれる広大な地域があり、ネッシーで有名なネス湖などがあります。
スコットランド地方ではホグマニーと呼ばれる大晦日を祝う祭りがあります。花火と松明の行列を見るためエディンバラは毎年多くの観光客で賑わいます。
海外旅行に役立つイギリス英語
イギリスに旅行に来たらイギリス英語で戸惑うことがあるかも知れません。
そこで旅行に役立つ代表的なイギリス英語をご紹介します。
・イギリスでは持ち帰りのことをテイクアウトではなくtake away(テイクアウェイ)
・飲食後に支払う勘定書はbill(ビル)
・映画館はcinema(シネマ)
→アメリカでは映画館のことをtheaterと言いますが、イギリスでシアターは劇場という意味です。
・片道/往復切符のことをsingle/return ticket(シングル/リターンチケット)と言います。
・混同しやすいのが地下鉄tube(チューブ)と地下道subway(サブウェイ)
→アメリカでは地下鉄のことをsubway、地下道をundergroundと言うので注意
・ホテルや電車を予約するときはbook(ブック)を用います。
・電車のホーム等に人の列があるときはqueue(キュー)と言います。
・ホテルの1階はground floor(グランドフロアー)、2階はfirst floor(ファーストフロアー)
→アメリカ英語では1階がファーストフォロアー、2階がセコンドフロアーになります。
・街の中心部のことをcity centre(シティーセンター)と言い、綴りもアメリカ英語とは異なります。
・薬局はchemist(ケミスト)と言います。(薬剤師や化学者という意味もある)
・イギリスでは祝日のことをbank holiday(バンクホリデー)と言います。
これらのイギリス英語は日常でよく使うので海外旅行の際には役立ちます。
アメリカ英語と混同しやすい単語もあるので覚えておいてください。
まとめ
イギリスの代表的なスイーツをご紹介しました。これから迎えるクリスマス・年末年始に食べるお菓子やレシピも掲載したので参考にしてください。もしこの時期にイギリスに遊びに来る予定があったらお菓子と関連のある街や観光地に立ち寄ってご当地で楽しむのも良いと思います。アフタヌーンティーやクリームティーはイギリスならどこでも手に入ります。また本場イギリスで飲む紅茶は本当に美味しいですよ!お土産にも最適なのでおすすめです。