翻訳は大きくわけて実務、出版、映像の3分野に大別することができます。語学が好きな人の中には翻訳に興味があるという方が多くいらっしゃいます。翻訳は年齢制限もなく実力さえあれば長く続けられる仕事です。何歳からでも学習を始めることができ、また年齢や人生経験が翻訳の仕事にプラスに作用することがあります。在宅で仕事ができる点も大きな魅力となっています。何かの専門分野があればそれがそのままウリになります。
翻訳の仕事について
翻訳の仕事は年齢のハンデがなく実力があれば50代、60代からでも始められる仕事です。定年後に第二のキャリアとして翻訳の仕事を始める男性もいます。子育て中の主婦も時間や場所を問わずに在宅で仕事ができるので女性にも人気のある仕事です。
出版翻訳の場合、翻訳会社に登録してオファーを待つようなルートはなく翻訳者が出版社の担当編集者に認められなくては仕事ができません。出版翻訳ではそのつど本に合った翻訳者を探すため年齢のくくりはありません。作品内容によっては向き不向きがあったり、ビジネス書などは社会経験の長い人が向いています。年齢よりも作品とマッチすることが大切です。
映像翻訳は、映像翻訳を専門に扱う会社に登録して仕事を依頼されることが多いです。劇場公開映画の場合ベテランばかりに仕事が集中しますが、DVDやドラマシリーズだと制作会社を通じてオファーがあります。ドラマやドキュメンタリーは今の流行や最新トピックを扱うため比較的若い感性や言語感覚を求められます。そのため映像翻訳は実務や出版翻訳と比べると20代が多く活躍しています。
翻訳の仕事がしたい
翻訳者として仕事をするには翻訳のルールや専門知識を学ぶ必要があります。スクールや通信教育で翻訳を学ぶ場合、最低でも英検2級以上の英語力が必要となります。できれば英検準1級以上の英語力が望ましい。
・翻訳講座のしくみ
翻訳入門講座
翻訳に必要な語学力をつけながら翻訳の基礎能力を高めるコース
・英検2級程度の英語力
・専門知識はあるが英語力が不足している人
実務翻訳/出版翻訳/映像翻訳(初級・中級・上級)
・実務翻訳
企業や官公庁で発生するビジネス文書、報告書、マニュアルなどの訳し方を学ぶ。
・出版翻訳
フィクションやノンフィクションなど海外の出版物の翻訳技法を学ぶ。
・映像翻訳
海外の映画やドラマ、ドキュメンタリーなどの映像メディアの字幕・吹き替えを訳す技術を学ぶ。
実務翻訳/出版翻訳/映像翻訳(ジャンル別・専門分野別)
・ミステリ、ロマンス、ノンフィクション、絵本、児童書など
・コンピュータ、医薬、特許、バイオ、金融など
・翻訳スクールの基礎知識
受講期間
1期が6カ月で4月と10月開講が多い。 1~3カ月の短期コースもある。 授業回数は受講期間やコースによって異なる。 |
費用
費用に含まれるものは入学金、受講料、教材費。その他の諸費用として施設維持費がかかる場合もある。 |
入学試験の有無
基本的に無いが、専門知識が必要な分野では試験がある場合も。求められるレベルは英検2級やTOEIC600点以上が多い。 |
講師
ほとんどが現役の翻訳者。とくに映像や出版コースでは憧れの作品の翻訳者である場合も。 |
翻訳スクールのメリット
通学か通信か選べる翻訳スクールが多い。また独特なルールや専門知識、業界のことなど指導を受けることができる。また翻訳仲間との交流や授業を通してプロとの人脈ができるため仕事に直結するメリットがあります。
翻訳の仕事と英語力
どの分野に進むにしろプロの翻訳者になるには必要最低限の英語力が求められます。英語力が高いのは当たり前のため、他者と差別化を図るためにはプラスアルファの能力が求められます。英語力はあくまでもベースであって、その上で翻訳者なら専門知識や日本語表現力といったスキルを磨く必要があります。
きれいな英語は完璧に読めた。辞書なしで英字新聞が70~80%理解出来た。翻訳以前に原書をたくさん読んでいた。
英検の場合、準1~1級レベル。TOEICの場合、800点以上レベルです。
英語力といっても色々ありますが、翻訳者(英日翻訳)に必要なスキルは「英語読解力」となります。英語がネイティブ並みでも日本語の文章力に難があるよりも、そこそこ英語ができて日本語の表現力に長けている人のほうが有利とも言えます。
まとめ
今回は語学が得意な方に大変人気のある翻訳者になるための基礎知識をご紹介しました。翻訳は大きくわけて実務、出版、映像の3分野に大別することができます。翻訳スクールや各種講座、翻訳者に必要な英語力など参考にしてください。