おすすめ洋楽の歌詞〈Viva La Vida / Coldplay〉【元音楽ライターが解説】

おすすめ洋楽の歌詞 Coldplay・バイオグラフィー

 

・コールドプレイのメンバー

 

コールドプレイはロンドン大学出身の四人によって1997年ロンドンで結成されたロックバンド。クリス・マーティン(ボーカル)、ジョニー・バックランド(ギター)、ガイ・ベリーマン(ベース)、ウィル・チャンピオン(ドラム)から構成される。2000年にデビュー・アルバム『Parachutes』とシングルカット曲の『Yellow』が大ヒットして世界的な成功を収め、パラシューツは全世界で約900万枚、セカンド・アルバムの『A Rush of Blood to the Head』は約1500万枚、サード・アルバム『X&Y』は約1300万枚の売上を記録し、2000年代に成功したバンドの1つとなっている。

 

 

・Viva la Vida or Death and All His Friends(美しき生命)

 

美しき生命(邦題)は2008年にリリースされたコールドプレイの4枚目のアルバム。本作はアメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツ、フランスのアルバムチャートで1位を記録した。原題を訳すと「人生万歳、もしくは、死と彼の全ての友人」。本アルバムは「生と死」をテーマにしている。

 

アルバムジャケットがドラクロワの『民衆を導く自由の女神』となっており、本アルバムに収録されている楽曲『Viva La Vida(美しき生命)』の歌詞もさまざまな解釈や憶測が飛び交っている。この曲はストリングスや打楽器が用いられ、宗教や歴史的な内容を包括している。

 

 

 

 

・グラミー賞を受賞

 

楽曲『Viva La Vida(美しき生命)』は51回グラミー賞にて、最優秀楽曲賞と最優秀ボーカル入りポップパフォーマンス賞を受賞した。UKシングルチャートとアメリカのBillboard Hot 100で1位を獲得。

 

 

おすすめ洋楽の歌詞 Viva La Vidaの歌詞を解説

 

・楽曲『Viva La Vida(美しき生命)』の歌詞

 

楽曲の歌詞と和訳、独自解釈してご紹介します。

 

VERSE①

(Aメロ)

I used to rule the world 私はかつて世界を支配していた

Seas would rise when I gave the word 私が言葉を発すると海がわき上がり

Now in the morning I sleep alone 今では孤独に朝を迎え

Sweep the streets I used to own 支配していた通りを掃除する

 

 

Seas would rise when I gave the word.   私が言葉を発すると海がわき上がり

 

 

 これはモーセと奇跡の杖の逸話だと思われます。シナイの聖なる山でイスラエルの先祖の神ヤハウェの声を聞いたとされるモーセ。その時手にしていた奇跡の杖は、ふりかかる苦難からモーセを守り、イスラエル民族のエジプト脱出を導いてくれた。エジプト脱出時、眼前には大きな海が広がり行く手を阻まれた。万事休すと思われたが、その時、モーセが杖を高く上げ海に向かって差しのべると、突然強い風が吹きはじめ、海を右と左に分断し、みるみる乾いた土地があらわれた。

 

 

 

(Bメロ)

I used to roll the dice 私はかつて賽を振ったことがある

Feel the fear in my enemy’s eyes 敵の目に恐怖が募るのを感じて

Listen as the crowd would sing 群衆の歓喜が聞こえるように

”Now the old king is dead! Long live the king!” 「老いた王は死んだ!王様万歳!」

 

 

I used to roll the dice   私はかつて賽を振ったことがある

 

 

 共和制ローマ末期の政治家、軍人であったカエサル(英語読みではジュリアス・シーザー)。ポンペイウスとの内戦に突入した時にルビコン川で『賽は投げられた』という有名な台詞を残している。ローマでの独裁政権を確固たるものとした後(後継者アウグストゥスに引き継ぎ帝政ローマ誕生の礎となった)、紀元前44年に暗殺される。その時に『ブルトゥス、お前もか』と叫んだのも有名で、シェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』でも引用されている。

 

 

 

(Cメロ/ブリッジ)

One minute I held the key ある時、私は鍵を握っていた

Next the walls were closed on me 次の瞬間、壁が目の前に立ちはだかり

I discovered that my castles stand 自分の城が

Upon pillars of salt and pillars of sand 塩や砂でできた柱の上に建っていると知った

 

One minute I held the key   ある時、私は鍵を握っていた

 

 

 イエス・キリストの12使徒の代表格であるペトロは、マタイ福音書16章13-20節の中でイエスから『わたしはあなたに天の国の鍵を授けよう』と告げられている。新約聖書に登場する人物で、イエスに声をかけられ、最初の弟子になった。イエスを3度否認したことでも有名。

 

 

 

CHORUS/サビ

I hear Jerusalem bells are ringing エルサレムの鐘が鳴っているのが聞こえる

Roman Calvary choirs are singing ローマのカルバリーの聖歌隊が歌う

 

I hear Jerusalem bells are ringing  エルサレムの鐘が鳴っているのが聞こえる

Roman Calvary choirs are singing  ローマのカルバリーの聖歌隊が歌う

 

 

 「エルサレム」はイスラエルにある都市で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖なる地だと見なされている。Calvaryは、キリストが処刑された地(ゴルゴタの丘)のこと。共和制ローマ末期にカエサルと共に三頭政治を行っていたポンペイスは、紀元前64年エルサレムを占領し、ローマの支配下に置いていた。

 

 

Be my mirror, my sword and shield 私の鏡となり、私の剣と盾となれ

Missionaries in a foreign field 異国の地の宣教師

For some reason I can’t explain 説明できない理由がある

Once you go there was never 一度でも行くと、そこには決して

Never an honest word 誠実な言葉はなかった

That was when I ruled the world それは私が世界を支配していた時のこと

 

 

 

 

VERSE②

(Aメロ)

It was the wicked and wild wind それは邪悪で荒々しい風だった

Blew down the doors to let me in 私を招き入れるためにドアを吹き飛ばした

The shattered windows and the sound of drums 砕けた窓とドラムの音

People couldn’t believe what I’d become 人々は私がどうなるのか信じられなかった

 

(Bメロ)

Revolutionaries wait 革命家は待つ

For my head on a silver plate 銀の皿の上の私の頭のために

I’m just a puppet on a lonely string 孤独な糸で操られた人形にすぎない

Oh who would ever want to be king? 誰が王になりたいと思うのだろう?

 

 

Revolutionaries wait  革命家は待つ

 

 

 革命家とは一体誰のことを指すのか特定することは難しいです。当時エルサレムを支配していた古代ローマでは、カエサルが暗殺された時に発した言葉どおり政治的対立で情勢が不安定で、内戦や裏切りが横行していた。

 

 

アルバムジャケットのドラクロワの『民衆を導く自由の女神』を連想し、この絵からフランス革命ではないかという憶測もあります。この絵画は1789年に勃発したフランス革命をテーマとしています。フランス革命は思想、法律、政治、社会など全領域に及び、絶対王政を打ち破って革命戦争を起こし、封建的特権の廃止、人権宣言、王政廃止、憲法設定を行って共和制を実現し、国王ルイ16世は処刑された。1799年にナポレオンの軍事独裁政府が成立。

 

 

〈”Now the old king is dead! Long live the king!” 老いた王は死んだ!王様万歳!〉という前フリがあることからルイ16世の処刑とも考えられる。この時ルイ16世はギロチンにかけられています。For my head on a silver plate 銀の皿の上の私の頭のために〉という歌詞と合致しますね。

 

 

 

CHORUS/サビ

Now I hear Jerusalem bells are ringing エルサレムの鐘が鳴っているのを聞いて

Roman Calvary choirs are singing ローマのカルバリーの聖歌隊が歌う

Be my mirror, my sword and shield 私の鏡となり、私の剣と盾となれ

Missionaries in a foreign field 異国の地の宣教師

For some reason I can’t explain 説明できない理由がある

I know Saint Peter won’t call my name 聖ペトロが私の名を呼ばないことを知っている

Never an honest word 誠実な言葉はなかった

That was when I ruled the world それは私が世界を支配していた時のこと

 

 

Missionaries in a foreign field 異国の地の宣教師

I know Saint Peter won’t call my name 聖ペトロが私の名を呼ばないことを知っている

 

 

 イエスの弟子の一人であったペトロは(英語読みではPeter)伝道者パウロと共にイエスの教えをローマに宣教していたが、64年ローマ帝国の皇帝ネロの迫害でペトロは殉教した。当時ローマではキリスト教に対する弾圧が激化していた。カトリック教会ではイエスの教えに忠実で殉教した彼を聖ペトロ(聖人)とし、初代ローマ教皇とした。これは「天の国の鍵」を授けられたペトロに権威が与えられたとしている。

 

 

かつて世界を支配していた王様の栄枯盛衰のお話です。今では零落してしまった孤独な男は戦争の悲惨さを伝え、自分は天国に行けそうにないと言っています。古代ローマのエルサレム支配やフランス革命が軸となっている歌詞のようです。

 

出典:Viva La Vida/作詞・作曲:ガイ・ベリーマン、ジョニー・バックランド、ウィル・チャンピオン、クリス・マーティン

 

 

・PVの紹介

 

Viva La Vida(美しき生命) / Coldplay

Viva la Vida or Death and All His Friendsに収録されています。

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

今回は『Viva La Vida(美しき生命) / Coldplay』をご紹介しました。グラミー賞を受賞したことから音楽ファンのみならず世界的に広く認知されており、世界史や宗教的な観点から多くの学びがあると思い取り上げました。歌詞の和訳よりも日本人に馴染みの薄い古代ローマやキリスト教などの解説を重点に置いています。今後もこういった内容の歌詞をご紹介したいと思います。

 

関連記事

英語ができるようになりたいけど勉強が苦手で継続できない・・・私も同じような悩みを抱えていました。英語は学問であると同時に技能でもあるため、特に英語を聞いたり話したりできるようになりたい場合、スポーツの練習と同じように鍛える必要があります。私[…]

 

 

英会話を学ぶなら・・・

英語を話すのが苦手だと感じている人は少なくありません。

しかし英会話はやさしい中学レベルの英語で成り立っています。

→つまり、中学レベルの英語の基礎練習が不足しているから英語が話せないのです。

英語は積み重ねの学問なので基礎で躓くと挫折の原因になります。

 

英語は学問であると同時に技能でもあります。

英語を話す練習をしなければ英語が話せるようになりません。

また英語に触れる機会がほとんどないというのも英語が話せない理由の一つかも知れません。

英会話を上達させるには音読やシャドーイングなどのトレーニングが不可欠です。

そして、ネイティブスピーカーと実際に会話して練習する必要があります。

できれば自分の間違いを指摘してくれる英語指導者資格を有する講師に習うのがベストです。

 

シェーン英会話学校なら英語指導者資格を持つネイティブスピーカーから直接英会話のレッスンを受けることができます。

将来的に海外で暮らしてみたい、海外の大学に留学したい、ビジネスで英語が必要、英語が話せるようになりたい人に最適です。

現在、無料体験レッスンの申し込みを受付中です。

英語が話せるようになれば未来の選択肢や可能性が広がります。

 

 

講師は英語を母語としたネイティブスピーカーで英語指導の国際資格を有した人材(CELTA、CertTESOL)

月々定額の「月謝制」なので高額なお支払いは不要!

急なお休みのときには振替や転校なども可能です。

全国208校(関東圏では最多の186校)

職場や自宅から無理なく通えます。

 

・ビジネス英語を学びたい方

・いずれ海外で暮らしたい方

・TOEIC、IELTSなど各種試験対策を行いたい方

・お子さんに英会話を習わせたい方

 

 

最新情報をチェックしよう!